前回はオルバースの背理を説明しましたが、夜が暗いのを不思議に思う人がいるとは、まったく驚きですね。
彼らの頭は、いったいどのような構造なのでしょうか?
彼らにほぼ共通していることは、常識をことごとく覆しているということです。
では彼らは、常に常識を疑い、根拠に基づいた事実と単なる思いこみを適切に切り分けて考える超合理的な頭の持ちなのでしょうか?
あるいはすごく頭の柔らかい人たちなのでしょうか?
もし前者ならば、ニュートンのように錬金術の研究に耽り、水銀中毒で死なずにすんだであろうし、後者ならば、「月はどうして落ちないのだろう」とか「夜はどうして暗いのだろう」というような疑問を持ち続けるだろうかということです。
天才といわれる人たちは、むしろ頑固者あるいは偏執狂に近いのではなかったかと思われます。
彼らは、疑問を考え続けた。考えに考えたあげく、うまい説明を思いついた。
それはたまたま常識からはずれていた、あるいははずさざるを得なかったという感じではないでしょうか。
そして彼らは、権威にいじめられようが殺されようが主張を曲げないとびきりの頑固者です。
あなたも一つ考えてみてはいかがでしょうか?
常識に捕らわれるなというのは不可能ですが、とことん考えることだったらできるのではないでしょうか?
ただしそれが過ぎると変人として認定されてしまう可能性が高いですが、、、
◆重力特急
ニューヨークまで一番速く行く方法を知ってますか?
42分で行く方法があります。ニューヨークに限らずどこにでも42分で行けます。
しかも何の燃料も使わずにただじっとしているだけでです。
どうすればいいかというと、それは、地面にトンネルをほってニューヨークと一直線につなげてしまえばいいのです。
そしてトロッコに乗って思い切ってトンネルに飛び込みます。それだけです。
なぜ燃料がいらないかというとそれは、地球の重力によってごろごろ転がっていくから可能なのです。
しかし、いったい地球の内部の重力はどう考えたら良いのでしょうか?
地表と比べて大きいのでしょうか、それとも小さいのでしょうか?
以下に説明します。
今までは、重力を考えるときには、太陽の大きさとか、地球の大きさは考えずに、質量(加速され易さ)をもった点として考えてきました。
これまではそれでもよかったのですが、今回の場合は地球の内部の重力ですから地球の大きさを考慮する必要があります。
先ず地表での重力ですが、これは地球の全ての物質を中心に集めたとして計算した場合と同じ値になります。
それは積分法を用いて証明できます。
この場合、地球を微小な部分にきり分けて、その部分から働く重力を地球の大きさ分積算します。
その値が地球の全質量を中心に集めて考えた場合の重力と同じ値になるのです。
つぎに地球の内部です。
例えば地表から100mくらいの中はどうでしょうか?
結論を言いますと、都合の良いことに地球から厚み100m分の球殻をはぎ取ったとして考えた重力と同じ値になります。
ちょうどタマネギの皮を剥いだような感じです。
それは、地中100mの位置で球殻からうける重力を積分法で計算したら、ちょうど重力が打ち消しあってゼロになるからそういえるのです。
要するに、地中の中の重力を知りたければ、その場所の深さ分だけタマネギの皮をはいで計算すればよいわけです。
つまり地中では、重力が小さいと言うことになるわけです。
これで重力特急でトンネルを進んで行くとき、どのように進んでいくかが分かります。
まずトンネルに飛び込むと重力により加速されます。
どんどんスピードが増していきます。
しかしトンネルを進むと重力が小さくなっていくので、加速のされ方は小さくなっていきます。
ちょうど中間地点で最大スピードになりますが加速はゼロになります。
その後は、減速されていき、スピードはどんどん落ちていきます。
減速の度合いは、どんどん増していき、見る見る遅くなっていきます。
ちょうどニューヨークへついた時にぴったり止まります。
こんないい交通機関が他にあるでしょうか?
このようにしてあなたは、自由の女神に暖かく迎えられることになります。
ただしすでに暖かすぎて、全身丸焦げになっている可能性大ですが、、、
(つづく)